金沢区のお雑煮
金沢区内の旧家のお雑煮
正月三が日に食べられる雑煮ですが、区内の旧家に聞きとりをして調べてみました。
1.小柴の斉田(おおにし)さんの雑煮
細め大根・里芋を輪切りにする。(切腹すると忌み嫌い、いちょう切りにはしない)
これを茹でた状態にして神棚仏壇・井戸・玄関・さんこう様・荒神様・秋葉山(火の神さま)にお雑に入れ、まずあげる。その後、昔は油揚げ(今はなると)を入れ、だし・醤油・塩で味付けをする。もちは角もちで焼いて入れる。
その他におせち料理として、ごまめ、昆布巻き、白いんげん、おにしめ、きんとん、たこ、穴子の天ぷら平貝、しゃこ、蒲鉾、お刺身、小作りえびは頭をとってかきあげにする。等は毎年用意する。
2.谷津町の斉田家の雑煮
大根(いちょう切り)、里芋、を茹でまず、仏壇神棚にあげ、油あげを加え、醤油ベースで角もちを焼いて入れる。その他におせち料理として、大福豆のきんとん・かまぼこ・ごまめ・松前漬け・お煮しめ水羊羹等が定番で作られる。
3.坂本の永島家の雑煮
大根・里芋・人参・豚肉に、醤油ベースで角もちを焼いて入れる。
4.小泉の平野家の雑煮
小松菜・鶏肉・なると・焼いた角餅の醤油ベースの雑煮。その前に雑煮には入れないが「おかん大根」と称して、神棚、仏壇に里芋大根(いちょう切り)をあげる。これは多分に戦前横浜市中区に平野が住んでいたことと、姑が日野の出身だったことが影響していると思われる。
この他に「横浜金沢年中行事と食文化」によると、
☆野島・瀬戸 ― 大根・里芋・小松菜・焼いた角餅かつおこぶだしの醤油ベースで。
☆朝比奈 ― 大根・里芋・油揚げ・小松菜・醤油ベースで角もち(焼く)。
☆六浦 ― 大根・里芋・小松菜・油揚げ・醤油ベースで角もち。
☆富岡 ― 大根・里芋・小松菜・油揚げ・醤油ベースで角もち。