称名寺薪能
5月3日、ついに4年ぶりとなる第26回薪能が称名寺で開催されました。
文庫幼稚園児たちの可愛らしい連吟に始まり、金沢区各地の木遣りに導かれて篝火の火入れ式があり、狂言「蝸牛」が始まりました。野村萬斎さんの観客を巻き込んだ(手拍子やでんでんむしむしの掛け声)素晴らしい演技で観客との一体感は特別のものでした。
櫻間右陣さんによる「清経」。笛の一声が闇を切り裂く音色に連れられて妻役のツレの登場です。夫・平清経の遺髪が届けられて入水を知った妻は、悲しみに暮れます。その夜の妻の夢枕に清経の霊が現れ、西海での合戦の様子や運命を悟り、修羅道の苦しみを聞かせますが、最後には跡の弔いを頼んで成仏していきます。清経の舞姿が、平家の公達らしく、こうこうと輝く月の光と篝火のにおいの中で、清々しく高貴で美しく胸にズーンと残りました。